(ぶっし/ぶつぞうちょうこくし)
どのような仕事?
各寺院のご本尊(ほんぞん)や、個人の依頼を受け、新たに仏像を彫る他、仏像の修理などもする。日本における仏像類などを制作する職人。
奈良、平安、鎌倉時代頃に仏像の形は完成されたとされる。形を忠実に伝承していく事が現代の仏師の役目のひとつ。広い地域で仏像が作られるようになると、儀軌(ぎき)という細かい取り決めが作られ、その決まり事に基づき制作を行う必要がある。
仏像の制作技法は、使用する材質によって、盛り上げて造形するものと刻み込んで造形するものの二つに大別される。前者は塑像(そぞう)、乾漆像などで銅、鉄などの金属造もこの技法にふくまれる。後者には木像、石像などがある。
仏師は芸術家や彫刻家ではない。芸術の世界では人によって感じ方や、見方が様々だが、仏師の仕事は様式美にあり、見る人に同じ何かを伝えるものを作らなければならない。古くから守られてきた儀軌について重んじる心、好き勝手に彫るという、自我を抑える難しさもある。
厳しい制約の中で自我を抑えつつも、個性が求められる世界。求められる仏像の想いを形にできるような、心のあり方も職人として大切な要素のひとつといえる。
※儀軌…仏像彫刻において、個人の自由は許されず、あくまでも儀軌に則って仏法を彫る事が決められている。儀軌=規則、法則、儀範。
必要な資格や免許
資格や免許は特に無し。
関連する資格
伝統工芸士(でんとうこうげいし)
経済産業大臣指定の伝統的工芸品、工芸材料・工芸用具の製造に従事する技術者を対象に「伝統工芸士認定試験」を実施。
昭和49年(1974)に誕生した制度で、伝産法規定に基づく国家資格。
受験資格は、経済産業大臣指定伝統的工芸品の製造に今現在も直接従事し、試験実施年度の4月1日時点で、12年以上の実務経験を有する人を対象にしている。実務経験年数には、専門養成機関の修得期間も含まれる。
原則産地内に居住している者であるが、各産地組合において独自の内部規定を設けている場合がある。又、産地組合の中に設置されている委員会を通じて受験申請を行う。
仏師/仏像彫刻師になるには?
仏師になる例として三通りを紹介。
①仏像彫刻の専門学校に通う(修学期間1年~4年)その後、弟子入り又は就職。
②仏師の職人のもとへ弟子入りする(修業期間5年~10年)
③仏像製作会社へ就職する。
※修学、修業期間についてはあくまでも目安であり、それ以上要することもある。また、三通りを紹介したが一例でありこの他にも道が存在するので、参考までに。
仏像彫刻教室やカルチャースクールなどで、彫刻の基礎となる地紋彫り体験をしてみたり、彫刻刀(小刀)の持ち方や使い方、木の目を読む力や削り方、仏像を彫る心について学ぶことから始めるのも、自分が進む道のきっかけづくりにはなる。
東京の中目黒にある「関 侊雲 仏像彫刻・木彫刻学院」では、仏師になるための知識や技術を勉強することはもちろん、卒業後の進路サポートも、一人ひとりの個性や特徴に合わせて個人面談にて徹底的にサポートしている。
職人紹介
坂上俊陽
仏像彫刻/石川県
学べる学校
準備中
関連リンク
現代日本を代表する仏師の作品紹介と仏像彫刻の鑑賞が楽しくなる知識・情報が満載です。
仏壇/仏具に関わる職種
木地師
天井師
荘厳師/宮殿師
彫刻師
塗師
呂色師/蝋色師
箔押師/箔置き師
錺師/錺金具師/彫金師
彩色師
蒔絵師
表具師
組立師/仕組師