(ひょうぐし)
どのような仕事?
紙・布・糊を材料として用い、障子・襖・掛物・巻物・書画帖・屏風・襖などを制作する職人。
仏壇・仏具の「紙に関すること」は表具師の仕事。
巻物などを制作する職人を経師(きょうじ)、掛軸を制作する「裱褙師(ひょうほえし)」屏風や襖(ふすま)を制作する「唐紙師(からかみし)」これらの総称を「表具師」と近年は呼ばれている。
表具とは表装ともいい、中国から仏教とともに技術が伝来したとされる。
どれも複雑な作業で、高度な技術と経験による熟練した腕が求められる。大切な事は、書や絵、掛軸などを最大限引き立てること。
必要な資格や免許
資格や免許は特に無し。
関連する資格
伝統工芸士(でんとうこうげいし)
経済産業大臣指定の伝統的工芸品、工芸材料・工芸用具の製造に従事する技術者を対象に「伝統工芸士認定試験」を実施。
昭和49年(1974)に誕生した制度で、伝産法規定に基づく国家資格。
受験資格は、経済産業大臣指定伝統的工芸品の製造に今現在も直接従事し、試験実施年度の4月1日時点で、12年以上の実務経験を有する人を対象にしている。
尚、実務経験年数には、専門養成期間の修得期間が含まれる。
表装技能士(ひょうそうぎのうし)
国家資格である技能検定制度の一種。詳しくは下記関連リンクを参考。
表具師になるには?
高校、専門学校、大学などを卒業後、掛軸や屏風などの表具を製造する会社(表具屋)や、仏壇仏具製造会社(表具師の仕事のあるなしは、産地によって異なる)に就職し技術を身に付けていくのが一般的なよう。文化財の修理などを行う表具屋は東京と京都に集中している。
高い技術を身に付ければ独立することも可能。
他の職人の仕事にもあるが、表具師の名前は「〇〇作」といった形で名前を残すことはなく、あくまでも裏方に徹する仕事といえる。そういったことをふまえた心構えも必要。
※表具師と一言でいっても、仕事の幅が広く、掛軸や屏風などの仕立、傷んだ美術品を修復し、鑑賞や保存ができるように表装をする仕事もる。
「掛軸、巻物、屏風、画帖、額装」など美術工芸的なものから「障子、襖、壁装」といった実用的な日常生活に関わるものなど分野は異なるが表具師と呼ばれている。
表具師の仕事分野によって、貴重な美術品を扱うこともあるので、美術品に関する知識や材料、配色の考案なども必要な要素のひとつ。
関連リンク
伊庭表装店は明治35年(1902年)、東京都港区芝に創業(120年の歴史をもつ)。
書・日本画・洋画・水彩画・刺繍・札所巡り・スケッチ・デッサン画・写真等の表具・表装・額装などを取り扱っている。
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