(ひょうぐし)
どのような仕事?
掛軸(かけじく)、屏風(びょうぶ)、巻物、など美術・芸術的な工芸品や、襖(ふすま)、障子(しょうじ)など日常生活に密着した実用的なものを*①仕立てる職人を表具師という。
経師(きょうじ)とも呼ばれる。※経師と表具師は、17世紀頃(江戸時代)から仕事の内容が重なりほぼ同じ業態となった。
新しいものだけではなく、古くから伝わるものを修復するのも仕事のひとつ。時代と共に仕事の内容も多様化している。
※仕立てる(したてる)…作り上げる。飾りたてる。
必要な資格や免許
資格や免許は特に無し。
関連する資格
伝統工芸士(でんとうこうげいし)
経済産業大臣指定の伝統的工芸品、工芸材料・工芸用具の製造に従事する技術者を対象に「伝統工芸士認定試験」を実施。
昭和49年(1974)に誕生した制度で、伝産法規定に基づく国家資格。
受験資格は、経済産業大臣指定伝統的工芸品の製造に今現在も直接従事し、試験実施年度の4月1日時点で、12年以上の実務経験を有する人を対象にしている。実務経験年数には、専門養成機関の修得期間も含まれる。
原則産地内に居住している者であるが、各産地組合において独自の内部規定を設けている場合がある。又、産地組合の中に設置されている委員会を通じて受験申請を行う。
表装技能士(ひょうそうぎのうし)
国家資格である技能検定制度の一種。詳しくは下記関連リンクを参考。
表具師になるには?
高校、専門学校、大学などを卒業後、掛軸や屏風などの表具を製造する会社(表具屋)や、仏壇仏具製造会社(表具師の仕事のあるなしは、産地によって異なる)に就職し技術を身に付けていくのが一般的なよう。文化財の修理などを行う表具屋は東京と京都に集中している。
高い技術を身に付ければ独立することも可能。
他の職人の仕事にもあるが、表具師の名前は「〇〇作」といった形で名前を残すことはなく、あくまでも裏方に徹する仕事といえる。そういったことも踏まえた心構えも必要。
※表具師と一言でいっても、仕事の幅が広く、掛軸や屏風などの仕立、傷んだ美術品を修復し、鑑賞や保存ができるように表装をする仕事もる。「掛軸、巻物、屏風、画帖、額装」など美術工芸的なものから「障子、襖、壁装」といった実用的な日常生活に関わるものなど分野は異なるが表具師と呼ばれている。表具師の仕事分野によって、貴重な文化財や美術品を扱うこともあるので、美術に関する知識も大切。
学べる学校
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関連リンク
伊庭表装店は明治35年(1902年)、東京都港区芝に創業(120年の歴史をもつ)。
書・日本画・洋画・水彩画・刺繍・札所巡り・スケッチ・デッサン画・写真等の表具・表装・額装などを取り扱っている。