愛知県 三重県
※新潟県の織物、小千谷縮と小千谷紬は、名前が酷似しているため、色をつけて区別。
新潟県
塩沢紬(しおざわつむぎ)
越後上布(麻織物)の絣や縞模様の伝統技法を絹織物に応用した織物。
摺り込み・括り作業による、蚊絣(かがすり)十字絣(じゅうじがすり)亀甲絣(きっこうがすり)などの細かい絣模様や、仕立て時に湯通しすることで生地の風合いをひきたてる特徴をもつ。
出典:youtube 匠の手|新潟県伝統的工芸品16品目 【塩沢紬】匠の手【佐藤 三夫】
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本塩沢(ほんしおざわ)
塩沢産地の織物で、「塩沢お召」の名で塩沢紬とともに親しまれてきた絹織物。
生糸を使用。緯糸に強い*①撚り(より)をかけ織り上げた後、湯の中で湯もみすることで撚りが戻る力を利用した「シボ(しわ)」の風合いや、サラリとした肌ざわりが特徴。
※①撚り(より)…ねじること。ひねること。
出典:youtube 匠の手|新潟県伝統的工芸品16品目 【本塩沢】匠の手【酒井 博】
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小千谷縮(おぢやちぢみ)
苧麻(ちょま)という上質の麻を原料とした麻織物。
強い撚りをかけ織り上げ、湯もみし、独特なシボ(しわ)の風合いとともに、さわやかな着心地の清涼感が特徴。
出典:youtube 匠の手|新潟県伝統的工芸品16品目 【小千谷縮】匠の手【戸田 芳郎】
小千谷紬(おぢやつむぎ)
玉糸と真綿の手紡ぎ糸を原料とした絹織物。小千谷縮の技法を活かし作られる。
手摺(てす)り込みによる緯総絣(よこそうがすり)の技法や、着るほどに真綿のしなやかさがでてくるのも特徴。
出典:youtube 匠の手|新潟県伝統的工芸品16品目 【小千谷紬】匠の手【水口 正行】
羽越しな布(うえつしなふ)
羽越地域の山間部に生育する「シナノキ」「オオボダイジュ」の樹皮繊維で糸を作り、布状に織り上げたもの。現代では、バック・帽子・帯地など様々な日用品として利用。落ち着いた風合いが特徴。
※山形県鶴岡市関川地区にも受け継がれている。
出典:youtube 匠の手|新潟県伝統的工芸品16品目 【羽越しな布】匠の手【大滝 栄子】
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十日町明石ちぢみ(とおかまちあかしちぢみ)
十日町透綾(とおかまちすきや)という織物の技術を応用・改良された織物。
原材料は、生糸又は玉糸、もしくは同等の絹糸。よこ糸に*①強撚(きょうねん)を加え、湯もみし、「しぼ」を出す。清涼感も特徴。
※①強撚(きょうねん)…糸繊維のバラつきを防ぐため撚りをかけるが、通常よりも強く撚りをかけること。
出典:youtube 匠の手|新潟県伝統的工芸品16品目 【十日町明石ちぢみ】匠の手【児玉 浩】
十日町絣(とうかまちがすり)
越後縮(麻織物)の技法を受け継いだ絹織物。
縦絣・横絣を駆使して表現した繊細な絣模様が特徴。伝統的工芸品指定。
出典:youtube 匠の手|新潟県伝統的工芸品16品目 【十日町絣】匠の手【渡邊 美子】
富山県
城端絹(じょうはなきぬ)
城端絹・城端織物は、1577年頃戦国時代末期(約430年前)に始められたと伝えられている。
城端一体の砺波地方は織物が盛んな土地柄で、江戸時代には、加賀藩の庇護のもと「加賀絹」の名で、小松絹とともに売られていたとされる。
城端絹最大の特徴は、「絓絹(しけきぬ)」絹は1頭の蚕が1つの繭をつくり生糸の元となる。しかし、稀に2頭の蚕で1つの繭をつくることがある。
その繭を「玉繭」糸を「玉糸」という。2頭が吐いた糸が複雑に絡み合うことで独特な節、人の手では生み出すことができない糸が生まれる。玉糸をよこ糸に使い織りあげたものが絓絹織物。
現在富山県では、南砺市城端にある株式会社松井機業でのみ「しけ絹」が生産されている。
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石川県
能登上布(のとじょうふ)
能登の開発に尽力した第10代天皇、崇神天皇の皇女が鹿西町(現・中能登町)に滞在した際に、土地の人々に麻を紡ぎ、機織り、真麻の上布を教え伝えたことに端を発する麻織物。
約2000年もの歴史をもつ。薄くて軽く、ひんやりとした風合いは日本の高温多湿な風土に適した布地といえる。
出典:youtube 能登の里山里海デジタルアーカイブ 能登上布
牛首紬(うしくびつむぎ)
白山市白峰地区(旧白峰村)で生産される白紬と縞紬のある絹織物。釘をかけても逆に釘を抜いてしまうほど丈夫なことから「釘抜紬(くぎぬきつむぎ)」ともよばれる。玉糸特有の節や独特な味わいが特徴。
福井県
石田縞(いしだじま)
木綿糸を使い、自然原料の草木染、縞模様が特徴的な織物。
明治後期から大正時代に、福井県下の小学校・女学校の制服に指定されると「学校縞」と呼ば
れ親しまれていた。昭和時代には他の織物が盛んとなり石田縞は縮小、衰退の道をたどる。
その後、昭和47年頃(又は約40年程前)鯖江に住む2名の女性と数名の作家とともに研究・復元され今日に技が継承されている。通気性がよく、軽くて丈夫で暖かい特徴をもつ。
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山梨県
大石紬(おおいしつむぎ)
甲州大石紬(こうしゅうおおいしつむぎ)
たて糸には、1頭の蚕から作った生糸。よこ糸には、2頭の蚕から1つの繭をつくり作られた玉糸から機織りして織り上げる紬織物。丈夫でいてやわらかく独特な風合いが特徴。
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長野県
信州紬(しんしゅうつむぎ)
長野県全域で生産される絹織物の総称を「信州紬」という。地域によりそれぞれ、「松本紬」「上田紬」「飯田紬」「伊那紬」「山繭紬」などとよばれる。
松本紬(まつもとつむぎ)
松本市・安曇野地方で生産されている絹織物。天蚕糸で織られたものは「*①山繭紬」ともよばれる。
※①山繭紬(やままゆつむぎ)…ヤママユガの繭からとった山繭糸、天蚕糸を用いて織った紬。
上田紬(うえだつむぎ)
上田市で生産される絹織物。
江戸時代より養蚕が盛んであった上田は、良質な真綿、紬糸が豊富で、日本三大紬の一つといわれ、主に普段着として愛用されていた。
特徴は節があり、二度打ちして織ることで、丈夫且つ質のよい織物に仕上がる。
縞や格子柄を基調としている。
出典:youtube 上田市マルチメディア情報センター 上田紬 伝統の技に歴史の風合いが息づく
上田紬 職人紹介
飯田紬(いいだつむぎ)
飯田市で生産される絹織物。「飯田格子」といわれる縞や格子柄、暖かでやわらかな風合いが特徴。織りの際に強く打ち込むことで、しっかりとした仕上がりになる。
伊那紬(いなつむぎ)
伊那地方で生産される絹織物。軽くてやわらかくしっとりした風合が特徴。
現在は、長野県駒ヶ根市東町にある「久保田織染工業株式会社」でのみ生産されている。
岐阜県
群上紬(ぐじょうつむぎ)
岐阜県郡上市八幡(はちまん)町で手織される、手紡ぎ、植物染の紬織物。
暖かく柔らかい郡上紬は、着心地の良さや、縞や格子・絣などの組合せ、独特なぼかし模様など複雑な表現が特徴。
静岡県
ざざんざ織(ざざんざおり)
静岡県浜松市で生産される絹織物。暖かな風合いや、使い込むほどにやわらかくなり、玉糸、紬糸とで織ることで太さにムラがでるなどの特徴をもつ。
「ざざんざ織」の名称は、有限会社あかね屋の登録商標。
出典:youtube はましんチャンネル 伝統工芸「ざざんざ織」の魅力を訪ねて/あかね屋(浜松市中区)
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掛川葛布(かけがわくずふ)/掛川手織葛布(かけがわておりくずふ)
葛布は、自生する葛の蔓から採った繊維をよこ糸として織り上げたものを、葛布(くずふ)又はカップなどと呼ばれている。自然素材を生かし、年月がたつほどに味わい深くなる特徴をもつ。
三重県
伊勢木綿(いせもめん)
津市、伊勢地域などで生産される木綿織物。*①単糸(たんし)を用いて織られるため、生地は柔らかで肌触りが良くシワになりにくい。また、保湿性や通気性にも優れている。
※①単糸(たんし)…*②紡績した1本のままの糸。
※②紡績(ぼうせき)…原料の繊維から糸の状態にするまでの工程。紡(紡ぐ・つむぐ)は、寄り合わせる意、(績む・うむ)は引き伸ばす意。
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