鳥取県
弓浜絣(ゆみはまがすり)
鳥取県西部の弓ヶ浜で生産されてきた絵絣の木綿織物。
「浜絣」「弓ヶ浜絣」とも呼ばれ、倉吉絣、広瀬絣とともに山陰の三絵絣のひとつ。
花、鳥、人名など日常生活に関連した柄が多く、藍色の地に白色の絣柄が特徴。
※絣(かすり)…織物技法のひとつ。前もって染分けた糸を、経糸(たていと)・緯糸(よこいと)・経緯両方に使用して織ることで、かすったような模様になる。それぞれ経絣・緯絣・経緯絣。
出典:youtube Made in Japan, Google Cultural Institute Google Arts & Culture 弓浜絣
倉吉絣(くらよしがすり)
鳥取県中部の倉吉とその周辺で生産されてきた木綿織物。
およそ200年程前に、花鳥山水の絵絣を稲嶋大助が普及させたのがはじまりとされる。
倉吉絣保存会が絣の保存と技術の伝承に努めている。
島根県
広瀬絣(ひろせがすり)
絵絣の木綿織物。
町医者の妻であった長岡貞子が弓浜絣の織、染色技術を習得し、広瀬で織ったのが始まりとされる。
山陰の三絵絣のひとつ。「広瀬の大柄・備後の中柄・久留米の小柄」の評判を得る。
松竹梅・鶴亀などのめでたい柄や、丁寧に織られることで丈夫な仕上がりになる。
出雲裂織(いずもさきおり)
経糸には麻糸や木綿糸を使用し、緯糸に古布(絹布、綿布)を細く裂き織られる再生織物。
山陰地方では、綿花が育てられず貴重品であったため再生織物の生産が盛んであった。
丈夫で厚く防寒として重宝されていた。
安来織(やすぎおり)
安来市で生産される絵絣の木綿織物。
絣織から発展したとされる。洗うほどに絵模様が鮮明な味わいとなる。
紺色の木綿地が特徴。
出雲織(いずもおり)
安来市を中心に生産され、絣から発展した織物。
藍染にこだわりをもち、糸の色合いなどに工夫がされている。
洗うほどに深みと美しさが引き立つのも特等のひとつ。
出西織(しゅっさいおり)
江戸時代には技術技法がすでに確立。
1955年(昭和30年)斐川町出西で機織りが始められた。
出雲地方で綿を栽培、藍で紡いだ綿糸を染め、織り機で手織り。
使い込むほどに味わい深い風合いになる。
岡山県
作州絣(さくしゅうかすり)
津山地方で発達した紺絣の木綿織物。
太い木綿糸を使い織り上げる。厚手で、藍と白のシンプルな模様も特徴。
昭和30年代初頭、12軒あった織元もわずかとなり、最終的に1軒残った織元に残されていた反物を通じて、2012年に再び復活。その後「作州絣保存会」が立ち上げられた。
作州絣保存会では、技術の伝承や後継者育成にも力を入れている。
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烏城紬(うじょうつむぎ)
起源は約200年前(1798年頃)塩分に強い綿栽培の発達した児島湾干拓地(灘崎村迫川)、宗津近辺を中心に生産されていた袴地織りにあるとされている。
通常の紬よりたて糸が少なく、よこ糸を撚ってないため、しなやかになる。岡山県指定郷土伝統的工芸品。
織元の須本雅子 氏が、烏城紬の唯一の伝承者であり、平成25年度、全国伝統的工芸品公募展にて、最高賞の内閣総理大臣賞を受賞。
広島県
備後絣(びんごがすり)
福山市・府中市辺りで生産される木綿絣。伊予絣,久留米絣と並ぶ日本三大絣のひとつ。
1853年(江戸時代後期)ペリー来航の年に、冨田久三郎氏が創案。広島県の伝統的工芸品に指定。
生地が軽く、通気性に優れ、さらりとした肌触りは暑い夏に適している。
山口県
柳井縞(やないじま)
江戸時代から品質が高く定評があった木綿織物。
生地がやわらかく繊細な色合いが特徴。
大正時代、織物産業の衰退とともに柳井縞も途絶え「幻の織物」と言われた。
平成6年、再復興を目指し「柳井縞の会」が発足。以来、織の技術習得・研究をしている。
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