久米島紬(くめじまつむぎ)
久米島で生産される紬織物。
中国から養蚕の技術を習得し、島民に広めたことが始まりとされ、日本紬発祥の地と言われる。
島で採れる天然の植物染料を用い、泥によって染上げる泥染や、手投杼を用いる手織りで丹念に織り上げていく。
素朴な風合いと植物染色・泥染めにより独特な色調が特徴。
基本五色(黄・鶯・鼠・赤茶・焦茶)よって表現される文様だが、現在では、様々な植物染色により色鮮やかなものが生み出されている。
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知花花織(ちばなはなおり)
旧美里村知花、登川地域(現・沖縄市)辺りに伝わった織物。
模様が縦方向に連続して浮く技法「経浮花織(たてうきはなおり)」、刺繍のように糸が浮く技法「縫取花織(ぬいとりはなおり)」が特徴。地元で採れる植物を主に使う染色は、自然な色が美しい。
女性が家族のために織っていたとされ、琉球王府に献上するのではなく、庶民の間に広まった織物。現在も五穀豊穣を祈る女性の祭「ウスデーク」などで知花花織の衣装をまとい行われている。
宮古上布(みやこじょうふ)
宮古島で生産される苧麻の手紡ぎ糸で織る麻織物。
「絣あわせ」という縦横の絣のずれを調節する作業を行う為、一反織るのに約2ヵ月の時間を要す。
丈夫で通気性がよく夏の着尺地として、東の越後上布、西の宮古上布といわれる。
読谷山花織(よみたんざんはなおり)
起源は15世紀頃。紺、藍、白、赤、緑、黄、紫など色糸を用い、幾何模様を浮織にした紋織物。
花模様を色糸で浮かせ、絣を併用した風合いは南国独自のよさがある。
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読谷山ミンサー(よみたんざんみんさー)
先染の紋織物。
ミンサーとは、「ミン」は綿、「サー」は狭いという意味で「綿狭帯」という細幅の帯と解釈でき「綿糸を用いた細帯」という意味になる。
南国独自の色彩が魅力。始まりは読谷山花織と同時期とされる。
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琉球絣(りゅうきゅうかすり)
絣柄の木綿織物。
沖縄では、各地域の絣柄を総称して琉球絣といわれることもある。
多彩な図柄で、反物を中心に生産。伝統の技術・技法を大切に今も受け継がれている。
※絣(かすり)…織物技法のひとつ。前もって染分けた糸を、経糸(たていと)・緯糸(よこいと)・経緯両方に使用して織ることで、かすったような模様になる。それぞれ経絣・緯絣・経緯絣。
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南風花花織(はえばるはなおり)
南風原町で生産される織物。
柄模様には、クヮンクヮン花織・タッチリー・ヤシラミ花織・チップガサーなどの独特なものがある。
立体的かつ華やかな美しさがある織物。近辺で採取される琉球藍、福木、テカチ染め等の植物染料を用いるのも特徴。
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首里織(しゅりおり)
那覇市、中頭郡西原町、島尻郡南風原町で主に生産される紋織・絣織物の総称。
植物染料及び化学染料を用いる。王朝風のデザイン、華麗な色彩や多彩な織が特徴で、なかでも花倉織や道屯織は、王家・貴族専用とされていたため、首里でしか織られない特別なものとされた。
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与那国織(よなぐにおり)
約500年の歴史をもつ与那国島で生産される織物の総称。
織りの種類も多彩で、与那国花織・与那国ドゥタティ・与那国シダディ・与那国カガンヌブーの4つがあり、豊かな織物文化が現代に受け継がれている。
喜如嘉の芭蕉布(きじょかのばそうふ)
糸芭蕉からとれる繊維を用い織り上げる。
独特なさらりとした肌触りが特徴。衣服や労働着など幅広く愛用されている。
八重山上布(やえやまじょうふ)
八重山地方、石垣島で生産される苧麻(ちょま)を素材とした麻織物。
イラクサ科の苧麻という草の繊維を手紡ぎして織る。
宮古上布の紺上布に対して、八重山上布は白地のため白上布ともよばれた。さらりとした肌触りで夏に最適な素材。
色止めの為、海晒し(約5時間)をして仕上げるのも特徴。
八重山ミンサー(やえやまみんさー)
石垣市、竹富町で生産される平織の木綿織物。
5つの絣と4つの絣が交互に配され「いつ(五つ)の世(四つ)までも末永く…」という想いが込められている。
17.8世紀頃、琉球王朝時代、綿栽培・交易記録があり、インダス(木綿発祥の地)から伝来したのではと推定されているが詳しくは解明されていない。
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