(わししょくにん/かみすきしょくにん)
どのような仕事?
楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)麻(あさ)等の植物(*靭皮繊維)を原料とし、一枚ずつ伝統的な手漉きの技法で、日本古来の紙「和紙」をつくりだす職人。
和紙は世界一長持ちする紙と言われている。
大まかな工程としては、原料を処理し、煮てやわらかくする。その後、棒などで原料を叩き繊維をほぐす。
他の材料と合わせ紙漉きの作業を行なう。漉いた紙を絞り、木版又は鉄板等に張って乾燥させる。厚さの異なりやキズの有無等を選別・加工を行った後、製品「和紙」となる。
見た目も肌触りも優しく優美に加え、強靭さを備えた紙質は吸湿性にも優れている。
幅広い用途に用いられていて、書道半紙、版画紙、名刺、障子、襖(ふすま)、壁紙、ドレス、和傘、提灯、器など、製品に応じて原料や道具を使い分けるのも職人に必要な要素のひとつ。
原料の持ち味をうまく引き出すための知識も必要とされる。
※靭皮繊維(じんぴせんい)…靭皮とは、樹木の外皮のすぐ内側にある柔らかい部分で甘皮(あまかわ)ともいう。
必要な資格や免許
資格や免許は特に無し。
関連する資格
伝統工芸士(でんとうこうげいし)
経済産業大臣指定の伝統的工芸品、工芸材料・工芸用具の製造に従事する技術者を対象に「伝統工芸士認定試験」を実施。
昭和49年(1974)に誕生した制度で、伝産法規定に基づく国家資格。
受験資格は、経済産業大臣指定伝統的工芸品の製造に今現在も直接従事し、試験実施年度の4月1日時点で、12年以上の実務経験を有する人を対象にしている。実務経験年数には、専門養成機関の修得期間も含まれる。
原則産地内に居住している者であるが、各産地組合において独自の内部規定を設けている場合がある。又、産地組合の中に設置されている委員会を通じて受験申請を行う。
和紙職人/紙漉き職人になるには?
和紙製作会社への就職や、産地の職人に直接弟子入りして、修業を積むのが一般的。
和紙は、産地によって様々なものが存在する。まずは全国の和紙について知る必要がある。
冬場は和紙の製造の最盛期。この時期に漉かれた和紙は良質で、冷たい水は、材料やトロロアオイという粘液を使用するのに適している。一日中重い簀桁(すけた)の枠をゆすったり、冷たい水を使ったりとかなりの重労働は過酷さを極める。過酷な重労働に打ち勝つ根気強さや集中力が問われる仕事でもあるといえる。(一例として)
和紙作りをしている工房等では体験ができるところもあるので、冬季の体験などを経験して、手仕事を体感してみるのも大切。
学べる学校「和紙」