滋賀県
日野椀(ひのわん)
滋賀県蒲生郡日野町に伝わる漆塗りのお椀。
天正18年(1590年)、伊勢松ヶ島へ転封していた蒲生氏郷が会津に移り、職人を会津に招いたため、日野の漆器製造は一時期衰退。このため会津塗器は日野塗の技術導入により発展したと考えられている。
元和年間(1615年~1623年)、日野商人により、日野塗が復興。その後、日野商人の主商品が薬にかわったことや、宝暦6年1756年の日野大火(市街地の約8割を焼失)で打撃を受けたことにより徐々に衰微。
天保年間(1830年~1843年)に日野椀の製造は途絶る。
厚手で丈夫なつくりや、高い高台を特徴としている。現在、「日野椀復興の会」の木工作家北川高次 氏により再現・復興がされ、日常生活で使用できる漆器として生産されている。
出典:youtube shigakoho 「北川木工」の日野椀
京都府
京漆器(きょうしっき)
平安時代から生産されている。
室町時代以降、茶の湯文化とともに広まる。
他漆器と比べると木地が薄く、独特の繊細さを感じる。
入念な下地工程に特徴をもつ。
出典:youtube 京都伝統産業 ふれあい館 京漆器(Kyo-shikki/Racquerware)
奈良県
奈良漆器(ならしっき)
約1300年以上の歴史をもつ。
しっかりとした下地づくり・螺鈿(らでん)という貝を用いて加飾を施す。
螺鈿は、夜光貝・チョウ貝・アワビ貝などを模様の形に切りとり、桧(ひのき)木地に貼り、漆で埋めて研ぎ出していく漆芸加飾技法のひとつ。
出典:youtube naracityPR 奈良の伝統工芸-奈良漆器-
和歌山県
紀州漆器(きしゅうしっき)
室町時代(1333年~1573年)紀州木地師(滋賀県付近にいた木地師達)がこの地に住み、紀州ヒノキを木地として椀の製造をはじめたことが起源とされる。
当初、「黒江塗(くろえぬり)」と呼ばれ、徐々に生産量が増えると現在の紀州漆器として名が広まる。福島県の「会津塗」、石川県の「山中塗・輪島塗」などと共に、全国三大産地のひとつと称さる。
黒江塗・根来塗(ねごろぬり)は塗りの代表格とされ、昭和にはいり、天道塗・錦光塗・シルク塗などの変り塗が考案。
根来塗 椀と箸・根来塗7寸段付壺
画像提供:紀州漆器協同組合 2017/6/7
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