(くみひもしょくにん)
どのような仕事?
現代では主に、着付けの仕上げとなる帯締め紐、羽織紐に種々の工芸組紐が用いられ、それらを生み出す職人を組紐職人という。組紐は結びやすく、自然にはほどけず、柔軟性に優れ、きわめて実用的なものであると同時に、装飾性に富んでいて、各時代を通じて絶えることなく愛好されてきた工芸品。
組紐とは、「組む」という構造で作られた紐のことで、3つ以上の束を組み合わせることで構成されている。刀剣を帯びるための緒(を)、柄(つか)に巻く紐、巻き物の紐や袈裟の紐、甲冑、弓具、馬具などの武具類にも多く用いられ、それぞれに優美な表情を与える。
組み方を大別すると、機械を用いずに組む純手組、無動力の木製組台を使って組む手組、動力を利用して大量に製品をくる機械組とに分けられる。工芸組紐として最も洗練された良さをつくるのは木製組台による手組。主に組紐は、「角組紐」「平組紐」「丸組紐」の三種に分けられる。(それぞれ、「角打ち紐」「平打紐」「丸打紐」とも言われる)
木製組台は、「丸台(まるだい)」「角台(かくだい)」「綾竹台(あやたけだい)」「高台(たかだい)」「内記台(ないきだい)」があり、どのような柄の紐を組むかによって、使う台や組み方が決められる。
伝統的な道具(台)などを自在にあやつることはもちろんのこと、帯締めとしての組み紐の場合、使う人の締め心地を想像しながら糸を組んでいく難しさや、糸を組むという作業だけではなく、糸を染めるという工程も熟練の技を要する大切な仕事であり、自分の思い描いた色に染め上げるという難しさもある仕事。
組紐の世界もまた、時代によって用途が変化し、今では、帯締めのほか、組紐アクセサリー、ストラップやネクタイ、時計のベルトを組紐にしたものなど、現代らしい様々な組紐が、日常生活でも取り入れやすい存在になっている。
江戸組紐 中村 航太 氏、綾竹台による制作実演の様子。
2016/6/6「第2回 伝統工芸を繋ぐものたち展」
必要な資格や免許
資格や免許は特に無し。
関連する資格
伝統工芸士(でんとうこうげいし)
経済産業大臣指定の伝統的工芸品、工芸材料・工芸用具の製造に従事する技術者を対象に「伝統工芸士認定試験」を実施。
昭和49年(1974)に誕生した制度で、伝産法規定に基づく国家資格。
受験資格は、経済産業大臣指定伝統的工芸品の製造に今現在も直接従事し、試験実施年度の4月1日時点で、12年以上の実務経験を有する人を対象にしている。実務経験年数には、専門養成機関の修得期間も含まれる。
原則産地内に居住している者であるが、各産地組合において独自の内部規定を設けている場合がある。又、産地組合の中に設置されている委員会を通じて受験申請を行う。
染色技能師(せんしょくぎのうし)
国家資格である技能検定制度の一種。詳しくは下記関連リンクを参照。
組紐職人になるには?
組紐製造会社や独立した職人の元への弟子入り等の道がある。
現在、工芸組紐の主要産地としては、京都府京都市、滋賀県大津市、三重県上野市、東京周辺がとくに有名であり、各地に組紐体験施設や着物の専門学校などで組紐について学ぶ場もる。
各地で制作体験もできるので、まずは、様々な組紐を見て触れて体験することが大切。
職人紹介
中村航太
江戸組紐(えどくみひも)千葉県
学べる学校「組紐」
準備中
その他繊維製品にたずさわる職種
刺繍職人
和裁士